糖尿病協会登録歯科医師について
- Seiki Mikasaki
- 2024年9月15日
- 読了時間: 4分
日本糖尿病会登録歯科クリニックとなりましたのでお知らせします。
糖尿病と歯科のつながり:定期検診の重要性
今回は私が日本糖尿病協会登録歯科医師になったことを受けて、糖尿病患者さんにとって歯科検診がどのように役立つかについてお話しします。糖尿病は、血糖コントロールだけでなく、全身の健康にも深い影響を及ぼす疾患です。特に口腔の健康との関係は見過ごせないものがあります。


糖尿病と歯の健康の関係
糖尿病をお持ちの方は、歯周病(歯茎の病気)にかかりやすいことが知られています。高血糖が続くと、免疫力が低下し、口内の細菌が増殖しやすくなり、歯周病のリスクが高まります。歯周病が進行すると、歯を失う可能性があるだけでなく、炎症が全身に波及し、糖尿病の管理を難しくすることがあります。つまり、歯周病を予防することが糖尿病のコントロールに直結します。
継続的な歯科検診のメリット
歯周病の早期発見・予防 定期的な歯科検診を受けることで、歯周病を早期に発見し、適切な治療を行うことができます。早期対応により、歯周病の進行を防ぐことができ、糖尿病の悪化も予防できます。
血糖コントロールの向上 健康な口腔状態を維持することで、体内の炎症を抑えることができ、結果として血糖コントロールが改善される可能性があります。歯周病の治療を受けた糖尿病患者さんの中には、治療後に血糖値が改善されたという報告もあります。
全身の健康維持 口腔内の健康は、全身の健康にも大きな影響を与えます。歯周病を予防することで、心臓病や腎臓病など、他の合併症のリスクも軽減されると言われています。歯科検診を継続することで、糖尿病を含む全身の健康を長期的にサポートすることが可能です。
糖尿病と歯周病治療の数値的効果について
糖尿病と歯周病には密接な関係があり、定期的な歯科検診や歯周病の治療が糖尿病管理に有効であることが科学的に示されています。ここでは、具体的な数値を交えて、歯科検診がどのように健康に貢献するかを説明します。
ヘモグロビンA1cの改善
研究によれば、歯周病治療を受けた糖尿病患者のヘモグロビンA1c(HbA1c)が約0.4%~0.6%低下することが示されています。これは、歯周病が炎症を引き起こし、血糖コントロールに悪影響を与えているためです。歯周病を適切に治療することで、全身の炎症が減少し、血糖管理が改善されます。
特に、血糖値のコントロールが困難な患者さんにとっては、わずかなHbA1cの改善でも合併症のリスクを大きく減らすことができるため、定期的な歯科検診と治療は重要です。
寿命の延長と健康維持
糖尿病と歯周病の両方を適切に管理することで、寿命にも良い影響があります。特に、糖尿病患者が歯周病を予防・治療することで、心血管疾患や腎疾患などの合併症リスクが低下します。ある研究では、HbA1cが1%低下することで、心血管疾患リスクが14%減少し、死亡リスクが21%*減少することが報告されています。このため、口腔ケアを通じて糖尿病を管理することが、長期的な健康と寿命に大きく寄与する可能性があります。
歯周病治療と全身の炎症
歯周病治療によって、炎症を示すマーカーであるC反応性タンパク質(CRP)も低下することが報告されています。歯周病治療を受けることで、CRPが約30%低下し、全身の炎症反応が改善されることがあります。これは、炎症が糖尿病の進行に悪影響を与えるため、口腔内の健康を保つことで全身の炎症を抑え、糖尿病管理に良い影響を与えます。
継続的な歯科検診の効果
歯科検診を定期的に受けることで、歯周病を未然に防ぎ、糖尿病の管理が容易になります。特に、歯科治療を受けた糖尿病患者は、口腔内の健康が維持されることで、合併症リスクが低下し、全身の健康状態が向上するというデータもあります。
これらのデータに基づいて、定期的な歯科検診と治療を通じて糖尿病を管理することが、長期的な健康と生活の質の向上につながることが科学的に証明されています。詳細 詳しい研究内容については、(https://diabetes.acponline.org/archives/2018/11/09/2.htm)等でご覧いただけます。
糖尿病と歯科治療
歯周病治療や予防を通じて、血糖コントロールをサポートし、患者さんが長く健康に過ごせるようサポートしていきます。
これからの健康のためにも、ぜひ歯科検診を継続的に受けていただき、口腔内の健康を守ることで全身の健康をサポートしましょう。糖尿病と歯科治療は、密接に関係していることを忘れず、日々のケアと歯周病定期健診を大切にしてください。お気軽にご相談ください。
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